絵に添えて
宓冬瑩詩篇
(ミー・トンイン MI DongYing)
私は、墨と絵の具で絵を描きます。
墨の濃淡で東洋的な情感を、
色彩で現代的な詩情を表現します。
新しく独創的な世界を創り出したいと願い、
常に新しい眼で自然を見つめ、
夢みる旅を続けています。
古い画法に精通し、広く深く先人の知識を吸収する
偉大な自然美を探求して
まだ誰も描いたことのない新しい構図を考える
画の風格は、常に清新かつ独特でありたい
美しく、気品溢れる画境、気宇壮大こそが我が信条
この芸術の道を
ひたすら、どこまでも追究し続けたい
自然の中に深く分け入り、霊感を得る
自然の言葉は密やかではあるが
しかし極まるところがない
私は想う
偉大な自然こそが芸術家を育てるのだ、と
詩境は
画家が画面において追究する芸術の真髄である
人は画の中に詩を求めるであろう
しかし、私の心は常に筆の先にある
私は気ままで幸せな旅人
口笛を吹きながら絵を描く
白い紙に心の色を滲ませる
余白は私の青い呼吸
一緒に詩を歌いましょう
紙の上には墨の跡
心には幸福という烙印
優しく雄大な自然よ
私はあなたの敬虔な画僕になりたい
人の想像する空間は無限であり 芸術創造の道も無尽である
風花雪月は詩を際立たせ
詩韻は絵いっぱいに溢れる
心に詩が溢れたら
絵筆は自ずと澄みわたる
荒れ野に咲く百合のように
雪中に咲き誇る椿のように
泥中に麗しく咲く蓮のように
私の心は澄み切っている
静けさが 私の傍へ密かに忍び寄り
そっと耳元で囁く
そのとき私は幽かに自然の鼓動を聴く
一瞬の感動を画面に留め その他は全て省く
それが理にかなっているかどうかは関係ない
私の我儘をわかってください
苦心惨憺している私を 大自然は優しく包み込み
耽美的な驚きと発見に誘う
大自然に溢れている構図を画面に定着する
それが新しい私に導いてくれる
遥かなる牧歌の響きが聞こえますか
あなたの五感を一斉に呼び覚まして
画の生命を躍動させるその歌が
詩境 画家はそれを生涯追い求める
私に無限の瞑想的空間をもたらしてくれる芸術に感謝
それだけで一生ドキドキできる
美は拒むことができない
音符が眼の中で飛び跳ね
谺は心の奥底に響く
声なき命たち
私はあなたたちを光り輝かせたい
それが私の使命
自らの芸術信念を堅持し
自ら終わりのない道を歩むことに
何の悔いもない